PFCによる電源効率とリップルの改善

商用電源を入力とするトロイダルトランス、

ダイオードブリッジおよび平滑コンデンサによる電源構成は、

半坡整流後の電流が100/120Hzでパルス状に平滑コンデンサに流入するため、

力率の低さとリップルが問題になります。

 

また、電源ICのソリューションはたくさんありますが、

入力電圧や出力電流の制約で、

出力100-500Wのオーディオパワーアンプに適用するための

組み合わせは限られます。

 

そこで、ここではまず、

主電源としてPFC(Power Factor Correction, 力率補正)を利用する

+-50V, 100Vを生成するAC/DCコンバータ(LT3798, LT1249)を設計します。

 

また、補助電源として15V, +-5Vの電圧を生成する

DC/DCコンバータ(LT8304, LTC3260)もあわせて設計します

 

まず、+-50Vの正負電源は、

LT3798(アクティブPFC機能を備えたオプトカプラ不要の絶縁型フライバック・コントローラ)

をAC35VからDC50Vへの絶縁型フライバックコンバータとして、

正負独立に使用して構成します。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。

 

次にD級BTLアンプ(オーディオ信号変調によるバックコンバータ)用の100Vの電源は、

LT1249(Power Factor Controller)をAC35VからDC100Vへのブーストコンバータとして、

左右独立に使用して構成します。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。

 

次に、D級アンプのゲートドライバ用の15Vの電源は、

LT8304(150V/2Aスイッチを内蔵したオプトカプラ不要の

100V入力マイクロパワー絶縁型フライバック・コンバータ)を

100-50Vから15Vへの降圧DC/DCコンバータとして構成します。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。

 

最後に、D級アンプの制御回路用の+-5Vの電源は、

LTC3260(低ノイズの2電源反転型チャージ・ポンプ)

でLDOを使用する構成(15Vから+-5V)にします。

LT Spiceによるシミュレーション回路はこちら。

過渡解析の結果はこちら。