お気に入りの音楽を見つける方法 その4

SpotifyのAPIを利用して5,000位ある音楽ジャンルの散布図を作成し、アーティストや楽曲、プレイリストなどを検索する、Every Noise at Onceを紹介しておきます。

Genre Map

トップページは、音楽ジャンルの散布図になっていて、上下(テクノからオーガニック)、左右(重めから軽め)といった感じの配置になっています。

直接、ジャンル名をクリックすると代表的な楽曲が再生されます。ジャンル名の右の>>をクリックすると、そのジャンルのアーティスト群のページが表示されます。

あるいは、右上のアーティスト検索窓にアーティスト名を入力すると、そのアーティストの含まれるジャンルへのリンクが表示されるので、そちらをクリックしても移動できます。

Tribal House

例として、Tribal Houseのジャンルに移動してみます。アーティスト名をクリックすると、代表曲が再生されます。アーティスト名の右側の>>をクリックすると、Spotifyのアプリが起動されて、アーティストページがオープンされます。

Satoshi Tomiie

例として、Satoshi Tomiieのページをオープンしています。

人気曲やプレイリスト、関連アーティストなどでさらに深掘りもできます。

お気に入りの音楽を見つける方法 その3

Crate Diggingに関するリサーチをまとめておきます。

木箱に入ったレコードの中から、お目当ての曲を探し当てる作業をDiggingというようです。

DJの場合、90%の時間は曲探しと曲順の編成に費やされ、実際にパフォームするのは10%程度の時間のようです。

Kado: Find New Tracks Based On Thousands of DJ Sets

他のDJセットの曲順からその曲が前後に現れる回数をもとに選ぶというのが基本のようです。CheatingかSerendipityかという考えもありますが、DJセットの場合、曲のつながりが重要なので、経験則に基づく頻度ベースの検索と考えられます。

Crates: Beatport Track Digging, But Way Better

Beatportの楽曲を効率よく探すツール。

再リリースの楽曲をハイドしたり、短いサンプルからYouTubeの曲全体での位置を表示したり(synchronization)など、Diggingの際の面倒な作業をサポートするツール。

こうしてみると、House Musicのレーベルは、レーベル自体が巨大なCratesで、あらかじめDiggingされた曲に基づくコンピレーションやDJ SetがRadioやストリームとして、YouTubeなどに流れていると考えられます。

代表的なレーベルのYouTube Chanelをあげておきます。

Hedkandi

Z Records

Defected Records

Glitterbox

IRMA records Official

お気に入りの音楽を見つける方法 その2

音楽信号処理に関するリサーチをまとめておきます。

Music Processing using Chroma Features

オーディ信号から12音階(Chroma)の時系列に変換して、相関行列の経路を抽出して、オーケストラによる演奏やピアノによる演奏、楽譜などとリアルタイムで同期を取る処理のデモ。

FMP Python Notebooks

基礎的な音楽信号処理に関するJupyter Notebookによる包括的なフレームワーク

Sound and Music Computing

論文30本, 610 Pages

Multimodal Music Processing

論文13本, 245 Pages

お気に入りの音楽を見つける方法

アンプやスピーカーなど再生系に不満がなくなると、あとは純粋に音楽を聴くのが通常の趣味としてのオーディオの世界だと思います。

しかしながら、自分がまだ知らない、あるいは巡り会えていない楽曲を、有限の人生の中でどこまで見つけ出して、実際に聴けるのかは、本質的な課題だと考えます。

実際、YouTube, Spotify, AmazonMusic, AppleMusicなどのレコメンデーション機能は依然として、発展段階にあるようです。

というわけで、ないものは作るしかないので、リサーチと試作を行いたいと思います。

まず、手始めに、このあたりから攻めてみたいと思います。

Real-time music annotation with deep learning in Essentia

オーディオのストリームをPCのSoundCardから、リアルタイムで読み取って、ディープラーニング(TensolFlow)で音楽の特徴のタグ付けやジャンルの分類を信号処理(Spectrogram)のAPIライブラリ(Essentia)行っているデモ画像です。

音楽の場合、楽曲の特徴を言葉でタグ付けや分類すれば、通常のキーワード検索技術で対応できるようになります。

一方で、新しい音楽やジャンル、微妙なリズムやメロディ、ハーモニーといったもの(音響モデル)は、そもそも言語化が難しく、いわゆる楽譜(Piano Roll)やコード進行、リズムパターンといった、高度な音楽情報の言語モデルによる研究も行われているようです。

Chord-aware automatic music transcription based on hierarchical Bayesian integration of acoustic and language models